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16 January 2023
British Virgin Islands, Hong Kong
1 min read
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英領バージン諸島(BVI)の会社が登記から除名された場合、取締役および株主は、会社の事業を遂行したり、会社の名義で法的手続きを開始または弁護したり、会社の資産を処分したりすることができなくなります。
会社が解散すると、それが自主的に行われたのか、それとも裁判所の命令によるのか、または行政上で時間が経過したから除名になったのか、という理由の如何を問わず、その会社は法律の上では既に存在していないことになります。しかしながら、 何らかの目的のために、会社の継続が必要になる場合がよくあります。大体の場合は企業を告訴するためであり、時には解散時に分配されなかった財産が無主物になり、分配を行うためであります。
したがって、BVI会社の取締役と株主、および他の利害関係者は、BVI の会社のリカバリー(除名されたか解散されたかにも関わらず)の、BVI の法律条文および判例法においての働きを理解する必要があります。2023年1月1日を以て有効化される2004 年BVI会社条例(BCA)改正によって、この分野の法律は大幅に変わってきています。
BVI の最近の判例では、裁判所は解散した会社を復活させる権限の行使に非常に慎重になっており、また、そのような申請はただの書類記入手続きではないと、注意を喚起しています。下記では、登記から除名された会社と解散された会社を復活させる方法をご案内します。
2023 年 1 月 1 日以前、会社が行政上の理由(ほとんどが政府手数料の未払い)で登記から除名された場合は、会社登記署へフォームを提出し、未払い費用と罰金を支払うという簡単なプロセスで会社を登記に戻すことが可能でした。旧法では、会社が登記から除名されて7年経過した場合、会社は自動的に解散し、他のリカバリー手続きが必要でした。
今までの手順は、2023 年 1 月 1 日に実施された BCA 改正によって変更されました。 2023 年 7 月 1 日を見据えた移行期間では特別な措置が適用されますが、BVI 会社の取締役および株主にとって、どんな変更があるのかを理解することは重要です。
2023 年 1 月 1 日以降、行政上の理由で除名された会社が、全ての未払い料金と罰金を支払って登記に戻してもらう期間は、僅か90 日となります。これらの条件を満たせない場合、会社登記署は会社を解散させられる通知を BVI 公報に掲載することができます。 移行措置は2023 年 1 月 1 日より前に除名された会社に適用し、これらの会社は、2023 年 7 月 1 日に自動的に解散するようになります。
会社が解散にならないように、除名された会社を登記に戻すことは重要です。 一旦会社が除名されて90日以内に登記に復帰できず解散に至った場合、リカバリーはより複雑になります。
ただし、たとえ登記から除名されて解散したとしても、BCAの新改正においては、会社は、会社登記署の許可で登記をリカバリーすることができます。これは、行政上の理由で登記から除名・解散された会社のリカバリーの簡易化と見られ、喜ばしい変更です。申請者は、会社登記署が登記から除名されて解散になった会社を復活させるように、満たさなければならない基準を予め理解しておくべきです。 会社の登記リカバリーを申請するには、承認済みの書面で提出しなければならず、会社登記署にそれに対して、以下の条件が満たされたと納得してもらう必要があります。
会社の財産が会社の登記除名・解散に伴って、無主物になってイギリス君主所有と見なされた場合、財務局は、登記署に会社のリカバリーに対してイギリス君主の同意を示す必要があります。それがなければ、申請者は、財務局が通知を受け取ってから 7 日以内にイギリス君主の同意について返答をくれなかったことを証明しなければなりません。
会社のリカバリー申請は、登記から除名されて解散になった5年以内でなければ、受理できません。
自主的または裁判所命令によって清算を行った会社を復活させるというのは、BVI 裁判所への申請が伴う意味で、それほど簡単ではありません。したがって、BCA にはこの分野においても改正がありました。
解散した会社を復活させるためにBVI 裁判所に申請を出す者は、法的地位を持つのが前提となります。申請資格を持つ者のカテゴリには変更があり、以下の通りになります。
申請者が解散した会社を登記に戻すためには、正当な目的が必要です。 BCAには、正当な目的に、次の2つを挙げています。(i) 会社名義でまたは会社に対して、法的手続きを展開・継続・中止をすること。(ii) 無主物になって、イギリス君主所有と見なされた財産を会社で取り戻すこと。この 2 つの目的以外であれば、裁判所は、特別な状況も考慮し、会社を復活させるのが公正であると思う場合、会社を登記に戻す申請を受け入れる裁量権を持っています。この裁量権の行使は、まだ試行されていません。
会社が解散してから5年経過すると、申請はできなくなります。申請可能期間は、BCA改定前よりだいぶ短くなりました。
申請は、会社登記署と財務局、および金融サービス委員会(会社が金融サービス法に基づいて規制されている場合)に知らせる必要があります。申請には、財務局が代わりに発行したイギリス君主が財産返還に対しての同意か反対、あるいは、財務局が通知を受け取って7 日以内に返答をくれなかったという、申請者声明を添付する必要があります。
自主的にまたは裁判所命令によって清算を行って解散した会社は、清算状態にしか戻れません。したがって、会社のリカバリーを申請する際には、リカバーした会社の清算人として働くことに同意するBVI破産管理人ライセンスを持っている業者を探すのが、重要なステップになります。オジエでは、多数のライセンスを持つBVI破産管理人と連携をとり、申請者のニーズに最適な人材を探すお手伝いをさせていただくことができます。
有効な申請が行われ、会社には有資格の登記代理人が委任されており、その登記代理人が全ての未払い料金・罰金を支払ったと法定声明を出した上、さらに「その他裁判所が適切と考える条件」を満たした場合、 裁判所が会社を復活させる命令を下すことがあります。この分野の判例法を多く生み出したのは、まさにこの最後の条件です。
BVI 裁判所は、10 年以上も前からの多くの判決においては、BVIの 会社リカバリーに関してイギリスの先例は適用されないと、非常に明確にしています。イギリスと BVI の法的枠組みが大きく異なるため、会社リカバリー申請から生じた問題に対して、イギリスの対策はBVI 裁判所にとっては限定的、もしくは全く役に立たないと言ってもよいでしょう。
BCA の改定では、「その他裁判所が適切と考える条件」という文言は変更されていません。申請が有効に提出できれば、裁判所は会社を復活させることが「できる」という点においても、変更はありません。したがって、BVI では、 解散した会社のリカバリーに関する判例法は依然として有効です。
今のBVI法では、会社を復活させる案件において、裁判所がどのような裁量を行使すべきかについてはほとんど言及していませんが、申請者は、会社はリカバリーが可能であり、そうする理由が十分にあることと、その理由が正当で、第三者へのいかなる不利益にも勝ることを証明しなければなりません(Ellis Jによる、Elite Source Ltd v Registrar of Corporate Affairs BVIHCV2013/0077を参照)。会社を復活させるか否かという決定は、第三者の権利に悪影響を与える可能性があるため、この点は非常に重要です。
いくつかの判決にも、裁判所は申請者に他の選択肢がない場合のみに、例えば、必須であった場合にのみ(Dedyson Enterprises Ltd v Registrar of Corporate Affairs BVIHCM2011/0008, 17 February 2011 per Bannister J, and Yeung Kwok Mung v Attorney General BVIHCM2011/0002, 23 February 2011 per Bannister Jを参照)、会社を復活させる見解があるようです。これらの判例は、申請者にリカバリー以外の選択肢もありそうならば、リカバリー申請は不可能だという誤解を与えてしまっています。しかしながら、Global Diversity Opportunity II Ltd v Registrar of Corporate Affairs(BVIHC (COM) 2020/0176、2021 年 3 月 12 日)でのJack裁判官は、申請者に難題を解決できそうな手段が他に存在するかどうかということは、あくまでも参考で、裁判所には会社を復活させる裁量権が常にあり、決定的な要因ではありません。
Global Diversity における Jack 裁判官の判決は、解散した会社のリカバリーに対する裁判所の権限の裁量性を強調しました。 裁判所は、全ての関連した要因を考慮した上で裁量を行使します。会社の解散は時間が掛かる重要なプロセスであるため、 裁判所は、一旦解散した会社を簡単に復活させたりはしません。したがって、申請者は、解散した会社のリカバリー申請はただの書類申請ではない、と留意する必要があります。 これらの申請には、万全な準備が必要です。
裁判所の他の命令とは異なり、会社の復活命令は即時に有効にはなりません。裁判所の命令はまず封緘された形で会社登記署に送達され、登記局はそれを受け取り、命令に載せた条件が満たされていることと、全ての未払い料金・罰金が支払われたことに納得した上、会社をリカバーする手続きが進められます。会社復活の発効日は、封緘命令が会社登記署に送達できた日になります。申請者に期間制限や他の締切などがある場合は、この時間軸を心に留めておかないといけません。封緘命令は、 30日以内に会社登記署に送達できない場合、失効してしまいます。
オジエ香港の紛争解決チームは、登記除名や解散した企業のリカバリーに豊富な経験を持ち、この分野のBVI 法に関するお問い合わせを承っております。
オジエは、世界中全ての時間帯に対応できるBVI 認定弁護士がおり、24時間体制で法務サービスを提供させていただいております。
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